【企業比較】人気業界比較第2弾‼ 人気の総合商社!人気はあるけど事業内容わかってる??

【企業比較】人気業界比較第2弾‼ 人気の総合商社!人気はあるけど事業内容わかってる??

・はじめに

・総合商社のビジネスモデル

・総合商社 各社の違い

・経営指標

・事業

・丸紅の収益と利益について

・おわりに

○はじめに

学生の認知度が高いけれど、比較が難しい同業他社。

このシリーズではそういった企業の比較をしてみようと思います!

企業の知名度の高さを「就活人気ランキング」から見てみましょう!

1位 日本航空(JAL)
2位 伊藤忠商事
3位 全日本空輸(ANA)

4位 三菱UFJ銀行

5位 トヨタ自動車

6位 三菱商事

7位 サントリーグループ

8位 東京海上日動火災保険

9位 資生堂

10位 東日本旅客鉄道(JR東日本)

引用ページ:【就職希望企業ランキング】2019年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?

 

今回ご紹介するのは総合商社。なかでも五大商社と呼ばれる5社をピックアップしました。

総合商社は学生からの人気が高いわりに事業の仕組みはイマイチ理解されていないのではない印象です。

高い年収・海外勤務・世界をまたにかける商社マン!

そんなイメージの学生が多いと思います。

総合商社のビジネスモデルと各社の事業の方向性の違いをご紹介します!

 

 

○総合商社のビジネスモデル  ~総合商社とは?~

総合商社のビジネスモデルは大きく二つに分けられます。事業投資トレーディングです。

 

事業投資とは企業に出資し、出資者として企業に参画するものです。三菱商事のローソン子会社化などはこれに当たります。

トレーディングとは資源などの仲介業者として企業を結び付けることです。トレーディングでは仲介料や売値と買値の差額で利益を出します。

 

○総合商社を取り巻く環境

総合商社7社の2017年4~9月期連結決算(国際会計基準)が6日までに出そろった。石炭や鉄鉱石など資源価格の上昇を受け、三菱商事三井物産住友商事豊田通商の4社が18年3月期の純利益見通しを上方修正。堅調な世界景気を追い風に非資源分野も好調で、三菱商など3社が配当予想を引き上げた。

6日は三菱商が通期の純利益見通しを従来予想から500億円積み増し前期比14%増の5000億円とした。前回の最高益は新興国ブームに沸いた08年3月期の4712億円で、今回10年ぶりに更新する。住友商も過去最高益となる2800億円に上方修正した。

伊藤忠商事と豊田通商も最高益を見込む。三井物産はリーマン・ショック前の08年3月期には及ばないが、会計基準を変更した13年3月期以降では最高益になる見通し。

業績の押し上げ要因は資源価格の回復だ。鉄鋼生産に使う原料炭は昨年前半の平均に比べ約8割高。銅、鉄鉱石も上がっている。非資源事業は底堅いアジア経済などに支えられ、各社とも海外の自動車販売や建設機械のリース事業、食糧・食品などが堅調だ。(日本経済新聞:総合商社7社の今期予想、4社が上方修正 三菱商事など3社が増配 (2017/11/6)

2017年は資源の高騰でどの総合商社も資源系、金属分野で大きな収益を上げています。石炭や鉄鉱石、銅などの資源価格が上昇したことに加え、各社が重点的に投資してきた非資源分野で収益が増加しました。

2017年は業界全体として、資源価格の高騰&非資源分野の増収により収益増加

 

○総合商社 各社の違い

今回取り上げるのは、就活生の間でも五大商社と呼ばれる三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅の5社にフォーカスします。

・経営指標

会社名 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 営業利益率 ROE 自己資本比率
三菱商事 7,567,394 474,389 812,722 560,173 6.3 10.3 33.6
三井物産 4,892,149 254,622 544,384 418,479 5.2 10.3 35.6
伊藤忠商事 5,510,059 294,104 537,858 400,333 5.3 14.7 30.6
住友商事 4,827,323 229,909 412,295 308,521 4.8 11.1 34.6
丸紅 7,540,337 118,054 255,004 211,259 1.6 11.1 27.2

(参照:三菱商事有価証券報告書三井物産有価証券報告書伊藤忠商事有価証券報告書住友商事有価証券報告書丸紅決算短信

ぱっと見て気になるのは丸紅ですね。売上高が高いわりに利益が低いです。この辺りは記事の最後でご紹介します!

逆に言うと伊藤忠商事は売上高のわりに利益が高い印象ですね。伊藤忠商事が就活生に人気なのも、この利益率の高さからでしょうか。

三菱商事は総合商社でも上位のイメージがありますが、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益等の複数のカテゴリーでトップであり業界内でもかなり業績がいいと言えます。

自己資本比率は40%、ROEは8%を超えるとかなり安定した企業であると言われています。

五大商社は自己資本比率が約30%台、ROEに至ってはどの企業も10%を超えています。

就活生人気もうなずける安定業界であるといえます。

 

・事業

 

<三菱商事>

三菱商事の事業を見てみましょう。

三菱商事の事業グループは大きく分けて7つあります。

それぞれ、地球環境・インフラグループ、新産業金融事業グループ、エネルギー事業グループ、金属グループ、機械グループ、化学品グループ、生活産業グループになります。詳細を見ていきましょう。

 

<地球環境・インフラグループ>

電力、水、交通やその他産業基盤となるインフラ分野を担当し、欧州やアフリカ、南米などまさに世界中でインフラ事業を行っています。

<新産業金融事業グループ>

企業投資・リース部門、不動産事業、物流事業の3分野で事業を展開しています。国内外でのリース事業、新興国での都市開発、物流業界における新規事業等に携わっています。

<エネルギー事業グループ>

天然ガス、LNG、原油、石油製品、炭素、LPG等を扱っています。エネルギーや資源に携わる分野がエネルギー事業グループです。中東やオーストラリア、東南アジアなどでプロジェクトを行っています。

<金属グループ>

炭、銅、鉄鉱石、一般炭、アルミ、ウラン、ステンレス原料の金属資源等に携わっています。金属グループは大きく2つに分かれます。資源投資とトレーディングです。原材料などの資源に投資し、その原材料を調達・製造・加工・流通販売しています。こうした過程を通してメーカーに製品材料が調達されます。

<機械グループ>

産業機械、船舶、防衛・宇宙、自動車の各領域において、工作機械、農業機械、建設機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器、自動車などの幅広い分野の機械を取り扱っています。

個人的に驚いたのは、防衛関連機器の販売と衛星画像データ処理・加工・販売です。

総合商社ってそんなこともやるんですね…

<化学品グループ>

石油化学品分野、基礎化学品分野、ライフサイエンス分野において事業を展開しています。材料から製品までを一貫して繋ぎ、需要の高まる分野において付加価値を出しています。例えば石油化学製品は材料から製品になるまでの過程が多く、それらの事業をつなぐ役割を総合商社が果たしているといえます。

<生活産業グループ>

食料、生活消費財、衣料、医材などの生活必需品を消費者にお届けする事業をグローバルに展開しています。原材料調達から小売りまでの事業を展開しています。三菱商事がローソンに事業投資をしていますが、それはこの分野にあたります。

(参照:三菱商事 事業紹介

 

セグメント別の当期純利益は約半分を金属グループが占めています。続いて機械、地球環境・インフラとなります。

三菱商事は資源・インフラで利益を稼いでいるといえるでしょう。

(参照:三菱商事 平成29年度 事業報告

三菱商事の強みは資源系と機械・インフラ‼ 幅広い分野で広範囲に事業展開。

 

<三井物産>

三井物産は事業を6つに分類しています。おおむね三菱商事と似ているように見えますが、詳細を見ていきましょう。

<金属分野>

鉄鋼製品や金属製品がこの分野になります。新興国のインフラ案件への鋼材供給、石炭事業や鉱山事業等の事業を展開しています。

<機械・インフラ分野>

発電や電力・ガスなどのインフラ、船舶、航空、鉄道、自動車の分野もこれに含まれます。幅広い分野で、販売、金融・リース、輸送・物流、事業投資などを行っています。トヨタグループとのバリューチェーン展開なども行っています。海外でのインフラ事業は総合商社のイメージそのものですよね。

<化学品分野>

基礎化学品、電子材料、肥料製品・農薬、飼料添加物等さまざまな産業に寄与する事業を幅広く展開しています。海外でのエタノールや油田の事業、合成樹脂、医療品の製造販売事業にも携わります。

<エネルギー分野>

石油や天然ガス等を取り扱います。こういった資源は消費者のもとに届くまで多くの工程がかかります。総合商社としては川上から川下まで事業に携わることで利益を得やすいのでしょう。

<生活産業分野>

食品やアパレル、繊維などがこれにあたります。あまり知られていませんが、セブンイレブンと三井物産が事業提携しています。コンビニ業界と総合商社は深いつながりがあるんですね。病院・クリニック事業およびその周辺事業も行っています。

<次世代・機能推進分野>

次世代事業としてICT分野に力を入れているのが三井物産の特徴ではないでしょうか。IoT・AI事業、サイバーセキュリティー事業、システムインテグレーション等にも事業展開しています。その他には金融や物流事業を行っています。

(参照:三井物産 三井物産の事業

セグメント別の当期純利益では、金属が半数以上を占めており機械・インフラ事業が続きます。三菱商事と似た構造ですね。

三井部産は中核分野として金属、機械・インフラ、化学品をあげ、注目分野としてモビリティ、ヘルスケア、ニュートリション・アグリカルチャー、リテール・サービスをあげています。

(参照:三井物産 投資家情報 個人投資家の皆様へ

三井物産の強みは資源系と機械・インフラ! ICTや医療分野への展開も。

 

<伊藤忠商事>

伊藤忠商事の区分は7分野。学生人気の高い伊藤忠商事の事業内容を見てみましょう!

<繊維カンパニー>

繊維分野がグループとして独立しているのは伊藤忠商事ならではかもしれません。

中国の現地企業と提携を推進し、アジア展開を見据えています。アパレルでは原材料から小売りに至るまで事業展開しています。

自動車のエアバックやテニスのラケットに使われる繊維も扱っています。

<機械カンパニー>

電力・石油・ガスをはじめとし、船舶、自動車、建設や医療ビジネスもこれにあたります。

どの総合商社も自動車や船舶・航空機に参入していますね。

<金属カンパニー>

総合商社でおなじみな金属分野です。伊藤忠商事はオーストラリアでの事業提携が多い印象があります。主にオーストラリアと北南米、アフリカです。

<エネルギー・化学品カンパニー>

原油などのエネルギー分野と化学品を扱っています。石油・ガス開発分野では、アゼルバイジャン、ロシア(サハリン)、英領北海等の案件に参画しています。天然ガスはカタールやオマーンの事業に参画しています。

<食料カンパニー>

ファミリーマートを子会社化しているのは伊藤忠商事です。三菱商事のローソン子会社化、三井物産のセブンイレブン提携と並びコンビニ業界。ファミリーマートについてはドン・キホーテとの提携も気になるところ。

その他に食糧原料分野、製造加工分野、中間流通分野などがあります。

<住生活カンパニー>

生活資材分野と建設物流分野にわかれます。中国ネット通販向け物流サービス等も行っています。中国での事業展開が進んでいるように見受けられます。

神やパルプ、不動産や物流ソリューションはこれにあたります。

<情報・金融カンパニー>

ITやインターネットサービス、金融保険業に携わっています。NTTドコモとの提携や保険仲介業を行っています。

(参照:伊藤忠商事株式会社事業紹介)

 

伊藤忠商事は食品が最も多くの利益を占めています。そして金属・機械が続きます。

食品に強いように見えますが、年次によって食品は利益の増減が大きいです。

(参照:セグメント別純利益

伊藤忠商事は中国での事業に強みを持つ。2017年は食品で全体の2割の利益を稼ぐ。

 

<住友商事>

住友商事は6つの事業分野に区分しています。

<金属事業>

鋼材・鋼管などの鉄鋼製品からアルミ・チタンなどの非鉄金属まで幅広く金属製品を取り扱っています。

エネルギー市場では石油の安定供給に貢献しています。東南アジアや北南米など世界各地で事業展開をしています。

<輸送機・建機事業>

リース・船舶・航空宇宙分野、自動車分野、建設機械分野に事業展開しています。

<インフラ事業>

電力・水・鉄道などのインフラ事業、国内外における風力や太陽光、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギー発電事業等も行っています。

<メディア・デジタル事業>

テレビ通販事業や成長が見込まれるデジタルメディア関連事業に取り組み、収益基盤の強化を進めます。デジタルビジネス分野ではICTプラットフォームの機能強化を図ります。

<生活不動産事業>

スーパーマーケットのサミットや銀座エリア最大級の複合商業施設「GINZA SIX」、調剤併設型ドラッグストアのトモズにも住友商事が携わっています。住友商事の不動産の広告は電車でよく見かけますよね。

<資源化学品事業>

鉱山や石油、天然ガスなどの資源系はこの領域になります。その他は化粧品や医薬品などの化学品を扱っています。

(参照:事業紹介 住友商事)

 

住友商事の2017年度のセグメント別当期純利益ではメディア・生活関連が最も大きく、次に資源・化学品が続きます。

昨年のイベントでは国内の事業会社や不動産事業が堅調であり、ボリビア銀・亜鉛・鉛事業、南アフリカ鉄鉱⽯事業の収益の増加をしています。

(参考:2017年度 決算発表プレゼンテーション)

住友商事はメディア・生活関連や資源・化学品事業の利益が大きい

 

<丸紅>

丸紅は事業全体を6つのグループに分類しています。

<食品グループ>

穀物取扱量は総合商社トップです。米国やブラジルで多くの取引を行っています。丸紅のコーヒー豆輸入は業界全体の約30%のシェアを誇ります。その他水産業や畜産業に力を入れています。

<生活産業グループ>

アパレル業や情報・物流・ヘルスケア、保険金融不動産業を扱っています。国内外のIoT・ビッグデータ関連サービスやFinTechや不動産開発を行っています。

<素材グループ>

化学品や紙パルプ、農業事業を行っています。紙パルプ本部は植林事業等も行っています。農業といっても専門家による農業指導や肥料に携わっています。

<エネルギー・金融グループ>

エネルギー・金融グループでは原油、天然ガス、原子力、鉄鋼などを扱っています。探鉱、開発からトレード、物流販売まで行うのが総合商社の特徴であるといえます。

<電力・プラントグループ>

発電所の設置から交通事業への事業投資まで様々な事業を行っています。他社でいうインフラ部門が丸紅の電力・プラントグループであると考えていいでしょう。

<輸送機グループ>

航空船舶から自動車・リース、建機などを扱っています。航空機の保有数は232機にのぼります。ヘリコプター・エンジン・複合材・衛星用高解像度カメラ等も扱い、宇宙分野事業への本格参入に向け活動中です。

(参照:事業紹介 丸紅)

 

セグメント別の当期純利益では生活産業が最も大きく素材、電力・プラントが続きます。(参照:丸紅 決算短信)

丸紅は穀物取扱量が業界トップ! 生活産業、素材、電力・プラントで利益を稼ぐ

 

 

○丸紅の収益と利益について

冒頭で「丸紅は収益は大きいわりに利益が少ない」と紹介しましたが、経営情報から分析してみましょう。

会社名 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 営業利益率 ROE 自己資本比率
三菱商事 7,567,394 474,389 812,722 560,173 6.3 10.3 33.6
三井物産 4,892,149 254,622 544,384 418,479 5.2 10.3 35.6
伊藤忠商事 5,510,059 294,104 537,858 400,333 5.3 14.7 30.6
住友商事 4,827,323 229,909 412,295 308,521 4.8 11.1 34.6
丸紅 7,540,337 118,054 255,004 211,259 1.6 11.1 27.2

 

冒頭にも上げた表ですが、大きく差が出ているのは営業利益です。

ここで売上総利益と営業利益までの計算式をおさらいしましょう。

売上総利益=売上高ー売上原価

営業利益=売上総利益ー販管費

 

ここで一度整理します。

「売上高が高いのに営業利益が高い」といった場合、上記の式から

①売上原価が高い

②販管費が高い

この二つの場合が考えられます。

売上原価とは当期に売れた商品に対する仕入れ商品の金額です。

売上原価は期首棚卸高+今年度仕入高-期末棚卸高で求められます。

販管費とは企業の営業活動全般や一般管理業務をすることにより発生する費用です。内訳としては広告宣伝費、販売手数料、運搬費、人件費、旅費交通費、通信費、水道光熱費、消耗品費等が該当します。

 

三菱商事と比較して、丸紅の特徴を見てみましょう。

会社名 売上高 売上原価 売上総利益 販管費 営業利益
丸紅 7,540,337 6,863,100 677,237 559,183 118,054
三菱商事 7,567,394 5,680,754 1,886,640 1,412,251 474,389

 

比較的売上高の近い両社ですが売上原価に差が出ています。

丸紅の生活産業グループは収益の大きいグループです。しかし売上高と売上総利益の差が大きいことから、売上原価の高さが読み取れます。(参照:丸紅 決算短信

つまり、「丸紅は稼ぎ頭の生活産業グループの売上原価が大きいため、売上高のわりに利益が小さい」ということができそうです。

 

○おわりに

学生に人気の総合商社の事業と経営情報を分析しました。分析として正しいかどうかは分かりませんが、数字による比較で仮説を立てることは可能です。

就活では、「社員の人柄を見て入社を決めた」という方を多く見かけます。社風や社員の人柄が合うかはとても重要です。一方で、入社をフィーリングで決めてしまっている人も多いのではないかと思います。

企業を客観的に比較する際に事業比較と経営情報の比較は有益です。

是非、自分の志望業界の分析もしてみてください!

 

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